実は「がん保険」ではない?

現在、皆さまもご存知のように、生涯でがんにかかる人は2人に1人と言われており、他人事では無いような時代になっております。

気にされる方は本当に気にしており、がん保険に入りたいとか、入っているとか、がんの事を考え何かしらのご準備をされているかと思います。

しかし、がん保険に入ったから、がんになっても大丈夫と安心出来るものでしょうか?

そこで、本当にがんになっても大丈夫と思えるような準備の仕方をお知らせ致します。

ある日がんと診断されても、早くきちんと治して、何事も無かったように戻れる事が理想であり、この理想を現実にする為の準備が大切になります。

前提の準備として、社会保障制度を把握しておく事で、少し安心出来るかと思います。

社会保障制度については<生命保険加入の基本>で少しふれております。

がん治療とは

がんの治療は、手術、抗がん剤、放射線が診療ガイドラインの標準治療となります。

がんという病は発見時の進行具合や部位や大きさ等で治療法が異なり、また人それぞれ効果的な治療法が異なったりするものです。

それに伴い現代の医学では色々ながんに対応した、標準治療以外の新しい様々な治療方が沢山出てきております。がんは切って治すという認識が今でも続いてますが、切らずに治す方法も現代では出てきております。

切らずに短期間で治ってしまえば、何事も無かったように戻ってくるという理想が現実になります。

 

新しい治療とは

代表的な新しい治療に陽子線治療というものがあります。

陽子線治療は、まさに切らずに治す治療法です。これは放射線治療の一種ですが、従来のX線とは異なり、体に放射しても体の正常組織へのダメージを抑え、がん病巣のみを集中的に破壊することができ、データでは手術と同等の効果があると言われております。

前立腺がんでは保険適応になりました。

 

また乳がんに関しては、非切除凍結療法という治療があり、針を刺し患部を凍らせて、がんを破壊するという治療があります。1.5cmまでは適応しており、これも手術と同等の効果があると言われております。

女性は出来れば切りたくないと思うものです、知っておくだけで人生が、大きく変わる事になるかもしれません。

 

新しい治療をうけるには

新しい治療のほとんどが、保険適応外になります。

これは保険診療ではなく、自由診療となり、標準治療には入らないという事です。

この事から、お医者様の方からは基本的に新しい治療の話しは出してこないのが一般的です。

ですので、新しい治療をうけるには、ご自身での情報収集が必要になります。

大事なことは、インターネットの現代では情報収集は難しくはありませので、治療開始前にきちんと情報収集をし、治療の選択肢を広げ、最良の治療法への道を見つけることです。

 

安心出来る準備費用

情報収集により治療の選択肢が広がり、最良の治療法が見つかった時に、その治療法が高額で費用の都合で断念しなければならない、なんて事が起きないような準備が必要になります。

まず費用の基準として、新しい治療の中で高額という事と、効果が認められているという事から、上記の陽子線治療で考えます。

この粒子線治療は300万円前後の費用がかかります。

この事から、どの治療も選択出来る準備として、最低300万円以上の準備が必要になり、それも治療の為の費用なので、がんと診断された直後の治療を始める前に準備出来ないと、意味がありません。

この他にも、入院費や通院費など少しずつかかってきますので、それなりの額の準備が必要になります。

受け取れる社会保障制度、出費となる治療費や入院費、通院費や交通費などを、きちんと把握することにより、安心出来る費用の準備が見えてきます。

 

がん保険の弱点

必要な費用が見えてきたら、どの様に準備するかです。

一般的には「がん保険」と考えると思います。

がん保険の仕組みは、まず診断一時金があり、入院給付金、通院給付金、手術給付金、抗がん剤治療給付金などが一般的です。

一見、これだけの保障があれば安心かと思われますが、実は弱点が隠れています。

 

1つ目は、診断一時金です。これはがんと診断された時に一時金が受け取れる保障になります。

これで上記のように300万円以上受取れれば良いのですが、診断一時金の保障額を

だいたいの方が50万円~100万円でお申込みしているかと思います。

 

2つ目、は手術給付金です。これはがん治療の為の手術を受けた際に受け取れる保障ですが、新しい治療では給付されないものがほとんどです。

 

3つ目は、がん保険は基本的に掛け捨てという事です。がんを気にされて加入されると思いますが、気にされている方が必ずがんを患うわけではなく、がんにならなければ何も受け取れず、保険料が無駄になっていきます

 

最後に、当たり前ですが、がん保険の保障はがんだけです。その他の病では何の保障もありません。

 

がんだけに保障が限定されてしまう、がん保険だけにこだわらずに、医療保険にきちんと加入しておく方が優先です。

医療保険にもがんに関する特約など有り、がん保険同様の保障も付加出来ますし、医療保険はがんに限らず、保険診療であれば、全ての病で使えます。

 

ベストな保険

ベストな、保険での準備の仕方をお伝えします。

 まず、ベストな保険の条件をまとめると、

 

診断時に300万円以上の給付が有る事

 

新しい治療でも使える費用の準備が出来る事

 

がん以外の病にも対応出来る事

 

掛け捨てではなく、がんにならなくても、保険料が無駄にならない事

 

になります。

 

この条件を全てクリアする保険に、特定疾病の保険というものが有ります。

これは特定疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)を患い、一定の条件を満たした時や死亡時に

一時金を受け取れるという内容です。

特定疾病保険や特定疾病特約として付加するもの等があります。

この特定疾病の保険で、300万円以上の保障に加入しておけば、がん診断時に治療に使える費用として、一時金が受け取れるのです。

がんと診断されれば受け取れるので、新しい治療でもその他の費用でも、使い道は自由です。

そしてその他の、心臓や脳といった、がん以外の重たい病にも対応していますので、保障の幅が広がります。

保険料に関しては、特定疾病の保険は、掛け捨てではないものも有り、中には利率が高く、保障準備をしっかりしながら、将来の資産形成にも繋げられる保険も有ります。

 

がんへの備えまとめ

がんは年代別に見ても死亡率のトップ3に入っていますし、どなたも少なからず気にされているかと思います。

しかし、罹らない方も多く居ます。

罹っても安心出来る準備が有り、罹らなくても保険料が無駄にならず、老後資金などに使えるなど、きちんと意味のある保険の入り方が大切です。

 

まとめると

①ご自身での情報収集

 

②どの治療にも使える費用の準備

 

③無駄にならない保険の入り方

 

以上の3点が大切です。

 

具体的な保険加入は

 

①特定疾病の保険で、大きく診断時の一時金を準備

 

②医療保険で先進医療特約・特定疾病入院日数無制限特則・特定疾病保険料免除特約などを

 最低限付加しておく

 

③医療保険でがん診断一時金特約・通院給付特約・抗がん剤治療給付特約などを

 必要に応じて付加しておく

 

④ここまでの準備でも心配な方は、ここでやっと、がん保険にも加入しておく

 

この①~④で保険を加入しておくことこそが、安心出来る、がんへの備えの保険加入です。

 

知っておくと使えるワード

ガンマナイフ・サイバーナイフ・トモセラピー・ダヴィンチ・陽子線治療・重粒子線治療・非切除凍結療法・ラジオ波焼灼療法・光免疫療法・オプジーボ等々

 

これらはがんの治療法です、情報収集の際にこれだけでも知っておくと役に立つでしょう。